2022年05月25日
中国梨/鴨梨(ヤーリー)
一応、このブログのもう一つのジャンルは「農業」なので
農業ネタ
知り合いから中国梨とリンゴをもらった。
中国梨といっても中国産の梨ではない。
中国梨(Pyrus ussuriensis var. culta)は、ホクシヤマナシ
(シベリアナシ、Pyrus ussuriensis var. ussuriensis)から
中国で種間交配により作出された栽培変種。
明治時代に日本に導入されたらしいがメジャーにはならなかった。
一般的に果樹として栽培される梨は、3つの属に分類される。
・和梨/日本梨 P. pyrifolia var. culta (品種:菊水、二十世紀、新高、幸水、豊水、秋月など)
・西洋梨 P. communis(品種:ラ・フランス、ル・レクチエ、バートレットなど)
・中国梨 P. ussuriensis(品種:千両梨、慈梨(ツーリー)、鴨梨(ヤーリー)など)
中国梨はたまに福岡のスーパーでも北海道産千両梨が販売されているが
いただいたのは鴨梨(ヤーリー)という品種。果実は
画像のように洋ナシ形ではなく、日本梨のように球形でもなく、
独特の形をしている。
リンゴと一緒にもらったのは、梨と一緒にビニール袋に
入れて密封、リンゴから分泌されるエチレンガスで追熟してね、
ということらしい。
西洋梨もそうだが、この追熟の良し悪しで味が天と地ほどに
変わってしまう。
一般に梨栽培は、冬季に一定の寒気が必要&日照時間が
花芽形成を誘引する植物ホルモンの分泌に大きく影響されるため、
熱帯地域での栽培は難しいといわれているが、与論島の民家の
庭先に中国梨が結実しているのを見たことがある。
なので中国梨なら奄美群島でも栽培できるかも知れないが
二十世紀(青ナシ)や秋月(赤ナシ)、追熟が大成功した
バートレット(西洋梨)と比較してあまり美味しい梨ではない。
(個人的感想です。)