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2018年08月14日

石神様(その17)~オロガミ

先週の土曜日、日置市吹上町和田苙口にある苙神様まで
バイクで行ってきた。
日本難読地名にもランクインしている苙口(おろんぐち)を
初見で読める人は少ないと思う。

苙神様(神社)はグーグルマップにもゼンリンの住宅地図にも
その場所が掲載されていないだけではなく、
国土地理院の地図にも神社の地図記号(鳥居のマーク)で
示されていない。

これはトカラ列島でも同じだったけど、土地の神を祀っている
箇所や神社本庁に加盟していない神社、社殿がない神社は
地図上から省略されるらしい。

苙神様はごくごくローカルな神様
「苙」の字の意は檻。家畜を飼育するための囲い。
よろいぐさ(セリ科の多年草)を意味するという。

石神様(その17)~オロガミ
石神様(その17)~オロガミ

鳥居の標札/名札、つか額束(がくづか)には「○○神社」、
「○○権現」、「○○宮」等ではなく、「苙神(オロガミ)」
とのみ表記されている。
柱の碑文を見ると、ふるさとなんたら基金で平成に入ってから
建てられたものらしい。

ここから此岸(しがん)⇔彼岸 (ひがん)、
現世(うつしよ) ⇔常世(とこよ)、
不浄(ふじょう) ⇔ 清浄(せいじょう)の境界になる。

石神様(その17)~オロガミ
石神様(その17)~オロガミ

杉並木をしばらく登ると開けた場所にたどり着く
右手奥に見えるのが苙口の巨石、苙神

石神様(その17)~オロガミ
石神様(その17)~オロガミ

森の中、光があまり差し込まない場所に
鎮座する巨石なのだがあまり苔がむすこともなく、
表面には亀甲模様の亀裂が入り、只者ではない感じ。
コケの生育が悪いのは岩石に含まれる
自然放射線源による被ばくが影響しているのか?

いつの時代からこの巨石が信仰の対象となったのかは
知らないけど、予備知識がなくとも山中でこの巨石と
出会えば、その存在感に圧倒される。
とても奇妙な存在。

なぜこの場所にこんな大きな石がぽつんと一つ残っているのか?
なんでこの石だけ風化していない?
そんな不思議さを昔の人も感じ、神様に通じる存在と考えて、
御神体としたのかもな。

諸星大二郎の描く、伝奇漫画に出てきそう。


タグ :苙神

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Posted by XYZ郎 at 20:21 │巨石信仰

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